名張毒ぶどう酒事件 再審の可否、名古屋高裁が3月3日に決定
1961年に三重県名張市で起きた名張毒ぶどう酒事件で、亡くなった奥西勝さんの再審の可否について、名古屋高裁が3月3日に決定を出すことが分かりました。
名張事件は、一審で無罪判決が出たものの、二審で逆転死刑判決になり、7回目の再審請求で名古屋高裁が再審開始を認めたものの、検察の異議申し立てで再審が取り消されています。奥西さんは2015年に獄中で亡くなりました。妹の岡美代子さんが裁判を引き継いでおり、現在おこなわれているのは10度目の再審請求となります。
弁護団は、ぶどう酒の瓶に巻かれた封かん紙の糊の成分を鑑定。その結果、二種類の糊が検出されたことが分かり、封かん紙が貼り直されていた事実を解明。さらに、検察が隠していた事件直後の現場にいた住民の供述調書を開示せたことにより、現場に到着したぶどう酒の瓶に封かん紙が巻かれていたと述べられていたことが分かりました。奥西さんは警察に強要された嘘の「自白」で、毒を入れる際に封かん紙は破れ落ち、どこかにいった旨の供述をしています。このことから、奥西さんの「自白」が信用できないことが鮮明になりました。弁護団は、奥西さん以外の者が瓶に毒を混入した後、再び封かん紙を貼り直した可能性が高いと主張し、奥西さんの再審を開始するよう求めています。